22歳の時に地方公務員として採用が決まった時、Kさん夫婦は同じ職場で出逢った。
そして3年目の研修では又偶然同じグループになりその頃からお互いが気になる存在となり
静かに緩やかに交際を育み3年の月日が互いに生涯の伴侶と定める良縁となり結婚を決めた。
2人の婚約を知ってまったく気付かなかった同僚達は、一堂に驚き大いに祝福してくれたと言う。
結婚後は仲良く一緒に出勤し、駅までの道を手を繋いで話しながら歩いたと嬉しそうに思い出話をしてくれた。
その時間が2人にとても貴重な時間だった。同僚は仕事も家庭も同じでいつも顔を合わせていては疲れるんじゃない?と心配したが、まったくそんなことはなく心底楽しかったらしい。
只ひとつ子供に恵まれなかったことは残念ではあったけれど、話し合い気持ちを切り替えていつもの2人に戻って、相変わらずの楽しい毎日が続いた。
洋裁とお料理が得意な彼女は本格的に洋裁も学び始め夫の背広を仕立てるまでに上達し、そしてお料理も本格的に学び始めた。
休日は夫の為にオリジナル料理を振る舞い、夫を喜ばせていた。「今日は何の献立?」と嬉しそうに聞く夫の笑顔が大好きで、その笑顔で益々お料理の腕は上がったらしい。
あっという間に30余年が過ぎて定年を迎えた2人は、憧れていた長期海外旅行を楽しんだ。
このまま、安泰な暮らしがずっと続くと思っていた矢先、だるさと微熱が治らず軽い気持ちで町医者を受診したら、そのまま大学病院を紹介され検査入院となった。
毎年欠かさず健康診断を受けていたので軽い気持ちでいたが、三日後、主治医から呼び出され末期のガンで余命三ヶ月と知らされた。
主治医は本人への告知を家族に委ねたいとの事だったが、熟慮の末に本人への告知は断わった。
時間の許す限り病室に付き添いいつもの2人の時間が流れ、季節が変わる頃に静かに眠る様に旅立った。
3年目の春が巡り誰かの為にお料理を造りたいと思い始めて来社し、たまたま入会直後の初婚のKさんとお逢いして話が楽しいと交際が始まった。
自宅が隣町と言う事もあり共通の話題も多く、晴れた日は日帰りドライブを楽しみ大自然に遊んだ。
互いの家を行ったり来たりの交際が続いたが、結局住み心地と今後の生活に便利な彼女の家に住む事になった。
亡き夫の思い出のある部屋を温かく気遣い、思い出を大切にしてほしいと言われて、その言葉で気持ちが安らいだと話してくれた。
彼は家庭菜園を楽しみ、収穫した野菜を使って彼女は大好きなお料理を作っている。時々近況報告と一緒に送られてくるお料理の写真に幸せと美味しさが伝わる。
「亡き妻(夫)の願いはひとつ。あなたの笑顔、再婚それも一つの道」
【公式HP成婚事例より抜粋:埼玉県北部在住 70代女性】
結婚相談所 埼玉 70代女性 婚活
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