爽やかな声で「一度話を伺いに行きたいのですが・・・」と、新規問い合わせの電話。
氏名年令、住所を伺い翌週に予約を入れた。当日、少し早めに来社した彼は、背広ネクタイ姿でピカピカに磨き上げた靴
清潔感を漂わせて60歳とは思えぬ若々しさで好感度抜群である。
ひとしきり世間話で盛り上がり話が本題へと進み、いつもの様に家族構成や過去の婚歴。
結婚への希望を伺う。初婚ですか?再婚ですか?の問いに、いささか戸惑い気味に彼は言った。
「再々、再婚・・・、えーと」と考えながら話し始めた。
「今度、結婚したら6回目になるんです。」と、言いにくそうな表情で話し始めた。
再が2つ付いた方の結婚は比較的多いが6回目の方は初めてで正直驚いた。
女性を私物化する様な考えの男性は、過去45年間にお断りをした例があるが、此処はゆっくり話を伺おうと気持ちを引き締めた。
最初の結婚は22歳で大恋愛だったが彼女はお金にルーズでサラ金の借金膨れ上がり結局彼が肩代わりして離婚になった。
2度目の妻は病気がちだったがとても家庭的で魅力的だったが病状が進み亡くなった。
3度目の結婚は会社の上司の紹介で、親の葬儀に実家に行った儘、帰って来なかった。
4度目の妻は、彼が仕事で大怪我をして入院中に、以前付き合っていた男性の元に行ってしまった。
5度目の妻は、元気な人で気も合い楽しく旅行をしたが、体調が優れず受診した時はすでに手遅れで進行の早い病の為発病後5ヶ月で他界した。
まさに、小説より奇なりの人生を歩みながらも、それでも幸せな未来を目指す彼に尊敬の念を抱き、幸せな結婚をさせたいと願い婚活は動き出した。
お相手に対する条件は「明るく健康な人」とそれだけ言った彼は、話したい事を言い終えホッとした表情で珈琲をすすった。
そう言えば、先月結婚を決めた再婚の方は、入会時に理想のお相手を聞くと「今度は離婚しない人」と言った。
「寂静は神様ではないから、その約束は出来ないなぁ」と話すと「そうですよねぇ~」と判っています的な感じでの納得の笑顔。
何があってもなくても、誰でも「いつも今から」それが大事なのだ。
6度目の結婚に向けて初めての婚活が動き出した彼は、当初行う「お見合いのアドバイス」もメモを取り熱心に耳を傾けている。
お見合い相手から当然6回目の結婚の理由を聞いてくる。当然だ。2件の離婚死別はやむなしとしても
離婚の理由が女性への私物化や身勝手な言動であるなら私も入会を断ったし、誠実な生き方をしているからこそ応援をしたいと思った。
それを説明すると納得頂けて、5目のお見合いで伴侶を射止めた。
あれから15年。時々通る道沿いの彼の家のベランダに、2人の布団が綺麗に並んでいる。ウワッ♪。「幸せに元気でやっています!」のサインだ。
【公式HP成婚事例より抜粋:埼玉県西部在住 60代男性】
結婚相談所 埼玉 60代男性 婚活
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